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US配列よりもJIS配列の方が正統であるらしい

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「Logical Bit Pairing」をもとに、国際標準化機構では1975年7月、ISO 2530という国際規格を制定し、コンピュータ用の「48-key Layout」を標準化しました。

(図略)

ISO 2530の「48-key Layout」は、あくまでもキー配列の目安に過ぎなかったため、各国は必ずしもこれに従いませんでした。アメリカは、2のシフト側に@を収録していました。フランスは、QWERTYではなくAZERTYを使い続け、数字はシフトキーを押しながら打つことを主張しました。ドイツはQWERTZに固執しました。結局、国際標準化機構は、1994年8月にISO 2530を廃止し、代わりにISO/IEC 9995という国際規格を制定しました。

(図略)

ISO/IEC 9995では、記号キーの配置は基本的に各国の自由であり、アルファベットもAMQWYZについては各国ごとに定めてよい、ということになりました。数字も各国ごとに、小文字と同じ側でもいいし、大文字と同じシフト側でもいい、ということになりました。この結果、コンピュータのキー配列は、各国ごとにバラバラのままとなり、もはや統一されることは無くなったのです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/isciesci/48/2/48_KJ00001013724/_pdf/-char/ja

 

そもそもUS、JISってなんの話だという読者のためにに説明しておくと、この話はキーボードの配列の話です。キー配列は国によって千差万別で、例えばフランスでは一番左上の英字の並び順がQWERTYではなくAZERTYだったり、ドイツではQWERTZだったり、アメリカでは記号類が全然違うところにあったりします。本当に?と思う方は下に貼り付けたリンクでフランスのキーボードがどんな配列になっているか確かめてみてください。一番上の段の左がAZERTYになっていることがわかります。んで、俗にアメリカのキーボード配列をUS配列、日本の配列をJIS配列と呼びます。

Magic Keyboard - Français - Apple (FR)

そんな千差万別なキーボードの配列なのですが、じゃあどれが一番正統派なのかとなると、どうやら並びがQWERTYでエンターキーは逆T字、2の上は「”」が一番正統派なのです。詳しい話は上に貼った二つの記事を参考にしてくれたら良いのですが、簡単に説明すると、これは正真正銘タイプライターの系譜で、US配列は電動タイプライター源流で50年ほど後出なんだそうな。詳しい話は上二つを読んでくれれば良いのだけれども。

つまり、どうやらキーの並び順的にもエンターキーの形的にも記号的にもUS配列よりもJIS配列の方が本家の血を濃く引いていて、(かつて存在した)標準規格に近く、US配列はむしろ亜流らしいのです。同じ構図はヤードポンド法でも見ることができて、他の国はメートルキログラム法に合わせたのにアメリカだけがヤードポンド法を使い続けるみたいな、多分キーボード界でもそんな感じなのです。自分はキーボードには明るくないので詳しいことはわかんないんですけれども。キーボードの配列は国によって千差万別なのは先程説明した通りなので、ヤードポンドよりは酷くないかもですね。もしかしたら割合的にはアメリカに近い配列の国の方が多いかもしれません。イギリスとかエンターキーの形以外アメリカと一緒だし。

自分はヤードポンド法をこの世から駆逐する委員会の会員なので、同様にキーボード界のヤードポンド法であるUS配列もこの世から駆逐する委員会なのですが、そのことを知らずにUSキーボードを買ってしまいました。しかも結構高いやつ。だってJIS配列よりもUS配列の方が記号が合理的だし、Altキーもbackspaceキーも大きいし、端っこのキーが小さいとかないし・・・。私が大富豪なら今すぐにでも買い替えるのですが(勿体ないから大富豪でも買い替えないかも)お金がないので妥協します。全く、どっちが本流なのかなんて好奇心を持ってしまったばっかりに、私はパソコンを使うたびに「この記号配列は本家本流とは程遠いんだよな・・・。」と考えることになってしまいました。好奇心は猫を殺すとはこのことか。