とわ自由帳

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シン・エヴァ感想戦(アニメ・旧劇・新劇・漫画ネタバレあり)

アニメ旧劇新劇全部のネタバレ満載です。

旧劇と重なるシーンがいくつもあって、でも違うシーンもたくさんあって、なるほど、これが新世紀エヴァンゲリオンのリメイクである新劇エヴァが辿り着いた場所なんだと。終わりを見届けられて良かったなと思いました。

エヴァ歴は初エヴァが金ローで放送された新劇で、序破Qをみて、その後シンエヴァがくるのでと思いこの冬にアニメ版と旧劇を見た程度のものです。

 

農業パート

そっくりさんがひたすらに可愛い・・・。いちいち「これは、なに?」って聞いてくるの子供みたいで可愛い・・・。周りの人も鬱陶しがらずにちゃんと教えてくれるのがいい・・・。これは何?って聞いてバカにしてくる人がいないの尊い空間が形成されてる・・・。それと対比するように何も話さない、何もしない、服すらも自分できないシンジ。そうなってもしょうがないよね・・・。自分のせいで世界が滅んでて、綾波も助けられなくて、槍でやり直したろやろがいって頑張ったら友達が目の前で爆死して、辛いね・・・。チョーカー見ただけで吐いちゃうのマジ可哀想すぎる。そりゃメンタルもダメになるよ。アスカメンタル弱すぎって言ってくるけどこれでまあしょうがないわって笑ってたらそれは狂人だよ・・・。でもアスカなりの励ましなんだろうね。アスカは自分が辛い時でも自分に厳しく生きてきたから他人にも厳しく当っちゃうんだな。ちょくちょく様子見に来てくれるってのはそれだけシンジのこと気にしてるってことだし。本当にシンジのこと何とも思ってなかったら無理矢理食わせることもメンタル弱すぎうざいって激励することも(激励キツない?)しなかっただろうし。ケンケンはシンジにも優しいな。トウジも優しいし、委員長も優しい。トウジと委員長はアニメでは結ばれることなくトウジが怪我していったけど、シンエヴァでは結ばれて、子供もできて、ニアサーも悪いことばかりじゃなかったんだね。総体的に見たら悪いことの方が多かったのかもしれないけど、局所的に見たらいいこともある。これは庵野総監督からのメッセージってことでいいのかな。

農業パートの終わりで綾波が四散するのを冬月は「自分と同じ喪失」って表現してたけど、ゲンドウは失ったものを取り戻そうとして、シンジは失ったことを認めて前に進んだ。ここにも碇親子の対比が描かれている。やっと綾波綾波らしさを出してきたところに四散、悲しいね・・・。目の端赤くなってるよシンジくん。いっぱい泣いたんだね・・・。それでも全てに決着をつけるためにシンジはヴンダーに乗るんだね・・・。強い子だ。

 

ヴンダーパート

サクラちゃん可愛すぎんだろ・・・。ほっぺた叩いてあほ!あほ!って泣きながら縋ってくるの女房じゃん・・・。ってアスカも言ってたか。シンジくんいつの間にそんなに好感度稼いだの?サクラちゃんお兄ちゃんからの手紙もらってはしゃいでるのもかわいい。

タラコ唇お前いっつも文句垂れてんな・・・。スーツにも文句垂れてたし、水にも文句垂れてるし、シンジの処遇にも文句垂れてるし、もう船から降りろお前。

 

もう一度農業パート

アスカが自分にも他人にも厳しいシーン、謎の人形劇から読み取ってくれってことなんだろうな。28にもなって人形劇は寒いだろって思ったけど、あれはアスカが自分に厳しく生きてきたってのを表してるんだと思う。補完時にもアスカが自分に厳しく、他人に厳しく生きてきたってのが強調されてるし、あれはきっとそういうことなんだろう。

あと綾波ね。モノの名前を知って、自分の気持ちを知って、シンジへの恋心を知って、最後は「綾波」って名前をもらって死んでいくのつらい・・・。握手は仲良くなるためのおまじない。さよならはまた会うためのおまじない。

あとアスカとケンケンをセックスしてる男女の雰囲気って表現してた感想があって全くそれにしか見えなくなった。この感想を読んだお前にも同じ呪縛をかけてやる。

 

ヴンダーパートに戻る

マリちゃんとアスカいちゃいちゃしすぎじゃない???百合厨に媚びてくるスタイル。いや違うな、あのベタつき方は娘を溺愛する母親と鬱陶しがる娘の方が近いのか?アスカの髪を切るマリさんって友達しぐさじゃないよね?母親しぐさじゃん?年齢的にはちょうど自分の娘くらいだし、そう思っててもおかしくないよね。あと、「髪が伸びるのは人間である証」ってセリフ。初号機に乗ってた綾波オリジナルは髪が伸びてたけど、あれはそういう解釈であってるよね。

すいか。

加持くん・・・。

 

カチコミパート

冬月ヴンダー強すぎるだろ。使徒ビーム卑怯だろこっちは銃火器だぞ。ヴンダー二艇用意してるし、追加で一艇下から湧いてくるし、7号機アホほど用意してるし、カービィに手が生えたみたいな雑魚キャラも用意してるし、至れり尽くせりだな。予算どっから出てんだ。

シンエヴァはゲンドウといい冬月といい参謀の実力行使の主張が強い。最後だから張り切っちゃったのか、人員不足を極めた結果なのか。

今作はエヴァエヴァの大迫力バトルが少なかったように思う。やるならここだったと思うんだけど、8号機対雑魚は雑魚がマジで雑魚キャラって感じの見た目だし、新2モード999は第13号機にあっさり貫かれるし、7号機はキモいし。

新2を第13号機で食う計画成功率二分の一じゃない?マリが来てたらどうするつもりだったの?でも新2に999がある以上新2を行かせるのが安定択なのか・・・?でもこっちのカシラは無茶苦茶することで有名なミサトさんだからな・・・。うーん、わからん。あのシーン実は博打だったのかもしれん。

新2のモード999あっけなかったけど、明らかに最後の切り札だったんだからもっとフィーチャーしてあげても良かったと思うんだよね。新2&8号機VS第13号機をスクリーンで見たかった。でもそれだとまたアスカがロンギヌスに貫かれるかもしれないのか。やっぱりなくても良かったかも、うーん、でも見たかったかも・・・。

第13号機はダブルエントリーシステム。1人は式波オリジナル、じゃあもう1人は?綾波オリジナルは初号機に保存されてるしやっぱり真希波オリジナル?描写がないからわからん。

ゲンドウくんケロロ軍曹のキャラみたいな見た目になっとるが。何だそのグラサンって思ってたけど何だその目。明らかにグラサンで隠せる範囲じゃねーだろその傷。「知り得ない情報を書き込んだだけだ、問題はない」って。問題はない、ではないが。こっちが問題あるんだよ。知り得ない情報ってなんだ。落ちた脳みそ拾うな、どうせ次のシーンでは傷なくなってるんだから。なんでお前顔からビーム撃ってんだ。てか第13号機あるんだからビーム撃つ必要あったか?顔からビーム撃てるようになったから見せびらかしに来たのか?

シンジくんの「僕が初号機に乗ります」、エモい。ミサトさんはこの世界でも銃弾からシンジを庇ってくれるんだね。ちゃんと行ってきますと行ってらっしゃいを行って行くんだね。まるで親子みたいだ・・・。

初号機抱いて量子テレポーテーションを繰り返すパパ。何遊んでんねん。シンジはシンジでダイレクトに初号機行くし。あれも量子テレポーテーションって解釈でいいのかな。髪が伸び切った綾波。第一声が「ごめんなさい。あなたをエヴァに乗らなくていいようにできなかった」。いいんだよ綾波。これでいいんだ・・・。綾波が初号機の操縦席に座ってたのはシンジが乗れないように席を奪ってたのかな。だからシンクロ率が0%だったのかな。あとシンクロ率0に限りなく近い無限大って。ヤケクソか。プリキュアみたいに手足生やすの笑うところかどうか迷ったわ。その流れのまま槍を奪ってゴルゴダオブジェクト突入でマイナス宇宙パートだし、エヴァVSエヴァの戦闘シーンが本当に薄かったね今作。

 

マイナス宇宙パート

最初は序の焼き回しシーンから始まって、どんどんチープなセットになっていって、最後は槍を置いて父との対話になる。これも縁の導きなのか、ケンケン。初号機と第13号機だと第13号機の方がでかいんだけど、これは父と子の身長差を表してるのかな。そうに違いない。

希望の初号機と対をなす絶望の第13号機。希望の初号機にはシンジが乗り、絶望の第13号機にはゲンドウが乗る。初号機の槍は希望の槍カシウス、第13号機の槍は絶望の槍ロンギヌス。勝負に勝った方がインパクトの爆心になる。これ以上ないほどわかりやすくシンプルな対比構造。

旧劇ではシンジの心の中が刻々と描写されていたけど、シンエヴァではゲンドウの心の中が刻々と描写されていたのがこれまた対比構造になっててエモいものがある。絶望の旧劇と対をなす希望のシンエヴァと言ってもいのでは。

エヴァンゲリオンイマジナリーが磔から落ちるシーン、わざと旧劇に似せてるよね。デカナミ3Dになって何とも言えない気持ち悪さが増したな・・・。

あとはミサトさんの特攻シーンね。帰ってきた!俺らのミサトさんが!無茶苦茶で破天荒なミサトさんが帰ってきた!そしてミサトさんはここでもシンジに全てを託して爆発で死んでいくんだね・・・。でもシンエヴァで最後に思ったのは加持くんではなく息子のこと。息子もまた加持くんだから、これも加持くんのことを思って死んでいくと受け取ったらいいのかな・・・。

ミサトさんの命がけの槍を受け取って、世界をやり直すシンジ。それを見て大人になったとつぶやくゲンドウ。結局、他人の死を受け入れられなかったのはシンジじゃなくてゲンドウだったという話なのか。

補完シーンでアスカの人形からケンケン出てきた時はびっくりした。母親が出てくるのかなーって考えてたらケンケン。そうか、そういうことかアスカ。

 

さようなら、全てのエヴァンゲリオン

でもさようならは「もう一度会うためのおまじない」。これを狙ってないはずがなくて、新しいエヴァンゲリオンが始まるということなのか、エヴァンゲリオンという物語は私たちの胸の中で生き続けるということなのか、特に何も考えずにかけた呪いなのか。庵野先生のこれからに期待ですね。

 

飛んで飛んで最後のマリさんが迎えにくるシーン

あのシーンシンジ×マリって解釈してる人多いし自分も最初はそう解釈したんだけど、それも多分あってるんだろうけど、ただ迎えにきてくれた人って感じもあったり、支えてくれた人ってのもあったり、なかなか解釈の幅が広いなあと思いました。胸の大きないい女って、オトナな返しをできるようになっちゃって!やっぱシンジくん顔がいいから大人になったらかっこいいよね・・・。ゲンドウとユイの息子なだけあるわ。

マリさんは漫画版の一番最後で完全無欠なのにどこか抜けてて自分より賢くてかわいいユイさんに惚れてたって設定が公開されるんだけど、それを考えるとシンジは自分が好きな女の息子ってことになるわけで、そうするとまた見方も変わってくるなあ。

 

 

まあひとまず、全体的にはこんなものでしょう。いや、本当は書き足りない。でもこのまま書いてたら無節操に伸びていくので、ここからは主要人物一人一人に対して感想を述べていきたいと思います。

 

シンジくん

立派に成長した。カヲルが死んで、というよりもカヲルを殺して塞ぎ込んでたまま終わりを迎えた旧劇のシンジから、縁に導かれて立派に立ち直り、大切な人の死を受け止めることができるようになったシンエヴァのシンジ。誰とも対話できなかった、誰も対話してくれなかったQから、ミサトさんやかつての級友、父であるゲンドウたちみんなと対話したシンエヴァエヴァに乗ることで父親から認めてもらおうとした、エヴァに乗ることが自分のアイデンティティだった少年から、「さようなら、全てのエヴァンゲリオン」という言葉。シンジくんの人生に幸あらんことを。

 

綾波

綾波綾波だよ!!!!!!!!!!ヤナミも綾波!!!!!!!!かっっっっっっっわいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!見るもの全てに目をキラキラさせる綾波、碇くんがもうエヴァに乗らなくていいようにしたかった綾波、かつての綾波レイであろうとすることから脱却して自分自身であろうとして、シンジから再び「綾波レイ」であると認められた綾波、、、。いろんな綾波がいて、全部綾波で、いい。。。漫画版の綾波も良かったです。最後3巻しか読んでないけど。まだ読んでない人は読んでください。綾波がいいので。

2021/03/14追記。綾波八面体バトルでさよならって言ってたよね?あれはまた会うためのおまじない?そうだよね?

 

アスカ

アスカは今作でもひどい目にあうんだなあと。コード999も第13号機にサクッとやられちゃうし。シンジのこと好きだったって明言しちゃうのヤバくない?俺はヤバいと思った。もう一回破見直さなきゃ。自分1人で生きていかなきゃいけないと思っていたアスカが、自分と一緒に歩んでくれる人を見つけることができてよかったです。これケンケンとデキてるよね?破がなければシンジ×アスカが見れたかもしれなかったなあと思うと、やっぱり思うところもありますが、こういう予期せぬアクシデントもまた人生なんでしょうか。

2021/03/14追記。綾波は世界を犠牲にして助けようとしたのに、自分には助けることも殺すこともしてくれなかったという幻滅もあったのかなと、ふと思った。「シンジに必要なのは恋人ではなく母親」というのも、シンジの恋人にもなれず、母親にもなれない自分に対する自虐だったのではないか。

 

マリさん

意味深埋め合わせキャラかと思ってたら、シンジを助ける重要な役割のキャラだった。マリさんがユイさんを大好きって仮定の元に話を進めると、シンジは大好きなユイさんの息子ってことだから、やっぱり見る目も変わってくるのかなあ。歌ってる歌がおばさんくさいのも、それだけ歳を取ってることを暗示してるのかなあ。そういえば真希波タイプのコピーは出てこなかったけど、綾波タイプ、式波タイプとあるんだから真希波タイプも当然あるんだよね?

 

ミサトさん

髪を解いた時、第6使徒ビームライフルで撃ち抜いたり第8使徒エヴァ3機で受け止めたりな、無茶苦茶なミサトさんが帰ってきたんだなって。。。それでミサトさんはまたシンジに全てを託して、加持リョウジのことを思いながら爆発で死んでいくんだなって。。。。でも今作の加持は好きだった男の加持じゃなくて、息子の加持だってとこが新しい何か、先に進んだ何かを感じさせてくれました。

 

リツコ

黒き月から槍作ったデータでヴンダーを槍にしちゃうリツコさんマジパネェ。

 

ゲンドウ

シンジに大人になれと言うにもかかわらず、一番大人じゃなかったのは自分だったというオチを残して電車を降りて行った男でしたね。大切な人の喪失を受け止められなかった男。大切な人を取り戻すためにこの世界全ての命を差し出した男。その計画を大切な人の死を受け止めた息子に止められた男。あのグラサンは父親がサイクロプスになったって知ったらシンジがびっくりするからって理由でつけてたのかな・・・。そうであって欲しい。知り得ぬ情報を体に書き込んでも、息子の成長を察知することはできなかった。。。もっと最初から息子と向き合っていれば、もっと父親らしいことをしていれば、破の茶会が開いていれば、ユイさんを失ったことを認めて、前に進めたのかもしれないね。。。

2021/03/23追記。思い返せば、ゲンドウくんの目的は旧劇の時からずっと保管計画の核、つまり神になって、生命を一つにまとめることで、ユイママに会うのはそのついでだったのかもしれん。他人を拒むことなく、他人に拒まれることもない世界で、そこには自分が唯一心を許したユイさんもいる世界。エヴァンゲリオンに取り込まれ、人類補完計画の核になる初号機と同化したユイさんを現世に引っ張り出すには神そのものになるしかなかった。旧劇ではアダムとリリスの融合で、シンエヴァではネブカドネザルの鍵と第13号機と二本の槍で神になろうとしたのか。そうなのか?わからんぞ。ユイママ的には初号機になることでシンジが乗って人類を救うってとこまで計画通りらしいけど。

 

冬月

ハゲてる。歳だからね、仕方ないね。確か74歳だよね。ヴンダーでダイナミック戦艦バトルやる余裕あるんだ、最近の老人は元気だね・・・。

 

トウジ&ケンスケ&委員長

いい感じに大人になって、トウジは結婚して子供まで作っちゃって、いやほんと大人になったなあ。これまでの苦労もあったろうに、シンジにはまるで昔のように優しく接してくれて、いい奴らだよ全く。これも縁の導きなのかな。

 

カヲルくん

シンジを幸せにすることで自分が幸せになりたかったカヲルくん。「君に会うために生まれてきた」と思うことで自分の生まれてきたことに意味づけをしようとしていたのかもしれない。作品に対して新しい意味付けがされているような、されていないような、そんな複雑な気持ちです。アニメも新劇でもカヲルくん出てきたら複雑になるしなんか全部を見透かしたいような物言いだしコイツいっつも余計なことしかしねえなくらいに思ってたんだけど、シンエヴァでちゃんとカヲルも生きてるんだってことを確認させてくれてよかったです。生まれ変わったら加持さんとこでミサトさんとすいかでも育ててほしい。でも、ミサトさんは農作業って性格じゃないな。トラクターバリバリ乗りこなしてそうだよなミサトさんは。

 

サクラちゃん

かわいかった。恩人で仇であるシンジくんに銃口向けてぐちゃぐちゃの感情でクシャクシャの顔になってるの、こう、みんなの感情の代表って感じでよかった。

 

 

総評

アニメと、旧劇と、序破Qを経てたどり着いた物語として、大団円だったと思います。現実は虚構へ、虚構は現実へ。さようなら、全てのエヴァンゲリオン